Project File13
「ぶれない」取り組みに向けた方針策定支援
積水化学工業株式会社
積水化学工業株式会社様では、複雑化する水課題やニーズに対して「ぶれない」取り組みを行うために、企業理念のもとでの「目指す姿」を設定し、事業の水への依存度や拠点が立地する地域の水リスクの地域性と事業影響を踏まえた「行動目標」や「アクション内容」を設定し、水リスクマネジメントの方針策定を行いました。
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ビジョン - 対策
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課題
- 地域の水課題や事業の水利用特性により水課題が複雑化するため、水リスクマネジメントの軸を定め、ぶれない取り組みとしたい
サポート概要
- 社会的な水課題やグローバル方針、自社の環境方針等を踏まえ、企業としての目指す姿を設定
- 目指す姿を実現するための行動目標、アクション内容を定め、今後の取り組み方針を策定
複雑化する水リスクに対して「ぶれない」マネジメントを目指す
大手樹脂加工メーカーである積水化学工業株式会社様は、環境長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2050」において地球からの価値ある自然資本、社会からの有用な社会資本を活用して企業活動を行っていることを認識し、そのリターンに貢献していくことを掲げ、サステナビリティ貢献製品の市場拡大と創出や環境負荷の低減、自然環境保全に先進的に取り組んでいます。
しかしながら、水リスクに関しては、地域の気象条件や地形、社会状況等の地域的な要因や、事業の水利用の特徴等の内在する要因により、影響の種類や程度が異なるため、問題が複雑化する傾向にあります。そのため、水リスクマネジメントの軸を定め、ぶれない取り組みとしたいという意向を持たれていました。
そのため、当社では、社会的な水課題やニーズに対して、企業理念のもとで「目指す姿」を設定し、事業の水への依存度や拠点が立地する地域の水リスクの地域性と事業影響を踏まえて「行動目標」や「アクション内容」を設定することを提案しました。
社会的な水課題や企業理念等を踏まえ、 目指す姿や行動目標、アクション内容を設定
まず、目指す姿を設定するために、社会的な水課題やWater Stewardship等のグローバル方針、自社の環境方針にもとづいて検討し、「積水化学グループの水リスク最小化(=最小化)」と「地域の水課題解決への貢献(=リターン)」の2つを設定しました。
そして、目指す姿を実現するための行動目標とアクション内容については、国連グローバルコンパクト(UNGC)等により提唱されたCBWT(Context-Based Water Targets)の考え方にもとづいて設定しました。この考え方では、事業によって水の利用状況が異なることや、水リスクの影響の種類や程度は立地する地域の気候や地形等の自然的要因やインフラの発展度によりが異なるため、自社にとって、どのリスクが問題となるかを踏まえマネジメントすることが求められています。そのため、行動目標については、地域の水リスクと事業影響を“知った”上で、適切に“改善”し、それを“維持する”といった3つのフェーズに分け、具体的な活動内容についても行動目標に紐づけを行いました。
上記の内容を計画的に実施するために、行動目標の3つのフェーズに基づいて、短期・中期・長期のマイルストーンを設定しました。事業所を例に挙げますと、長期目標としては事業所が立地する全ての地域での水リスク最小化を目指し、各マイルストーンでは以下の取り組みを実施する方針としました。
<短期マイルストーン>
【知る】全事業所の水リスクを把握
【改善する】自社への事業影響が大きい拠点の水リスクを最小化
<中期マイルストーン>
【改善する】地域の水リスクが顕著な拠点の環境負荷を最小化
<長期マイルストーン>
【改善する】流域関係者と協働していくことにより地域課題を解決
<通期>
【維持する】モニタリングによる健全な状態の維持
本事例のように、社会的な水課題や企業理念等を踏まえ、目指す姿や行動目標、アクション内容を設定して、取り組みの方針の軸を定めることが「ぶれない」活動、そして、社内外への説明性が高い活動につながります。
積水化学工業株式会社
本社を大阪府大阪市北区と東京都港区に置く、「住・社会のインフラ創造」領域と「ケミカルソリューション」領域の技術をもとに、プラスチック素材や医療関連、都市インフラからユニット住宅まで広範囲に及ぶ事業群をグローバルに展開する大手樹脂加工メーカー。1947年創業以来、サービス、スピード、スペリオリティの3S精神をモットーに暮らしと地球環境の向上に貢献している。
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