TNFD開示に対応!推奨ツール(ENCORE、IBAT)の概要と使用方法
2024年7月16日 (火)にオンラインセミナー「TNFD開示に対応!推奨ツール(ENCORE、IBAT)の概要と使用方法」を開催いたしました。
開催概要
- テーマ :TNFD開示に対応!推奨ツール(ENCORE、IBAT)の概要と使用方法
- 開催日時:2024年7月16日(火)11:00 ~ 11:55
- 開催方法:オンライン(Zoom)
- 主催 :八千代エンジニヤリング株式会社
- 参加費 :無料
- 参加人数:197名
私たちの暮らしや企業活動は、自然がもたらすさまざまな生態系サービスによって成り立っています。人間活動によって土地転換や水利用、汚染などの自然の劣化が進むなか、近年では自然共生社会を目指すため、生物多様性の損失を食い止めて回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の動きが、国内外で急速に高まっています。こうした背景から2023年には、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)から最終提言として「TNFDフレームワークv1.0」が公開されました。TNFDでは、LEAP(Locate,Evaluate, Assess, Prepare)アプローチが提案されており、企業の事業活動による自然への依存と影響、それに伴うリスクと機会を特定し、開示することが求められています。
このセミナーでは、これからTNFDの最終提言に沿った分析・開示に取り組む企業向けに、TNFDが推奨するツールであるENCOREとIBATについてご紹介します。ENCOREはEvaluateフェーズにおける依存と影響関係の評価に、IBATはLocateフェーズにおける活動場所の評価に活用できます。2つのツールについての概要と実際の使用方法についてご紹介しました。
質疑応答では、たくさんのご質問をお寄せいただき、ありがとうございました。
ご質問のうち一部ではございますが、文末にQ&Aを掲載いたしますのでご参考になれば幸いです。
次回以降のオンラインセミナーについては、詳細が決まり次第あらためてメルマガよりご案内させていただく予定です。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
質疑応答
ENCOREの旧版で実施した評価結果はどういった扱いになるのでしょうか?
旧版での評価結果がただちに無効になるということはないと考えております。このような分析は定期的に見直しされること望ましいため、次回の分析の際に更新版を用いることを推奨いたします。
ENCOREはSBTs for Natureのサイトのようにエクセルをダウンロードする形式となり、産業分類なども同じになったようですが、双方にどのような違いがあるのでしょうか?今後新たに使用していくケースでは、どちらを優先したほうがよいなどありますか?
SBTs for Natureの「SBTN's Materiality Screening Tool」は、旧版(2023バージョン)におけるENOCREのデータが使用されています。更新版へのアップデートは現在検討されている段階ですので、現状はENCOREを活用いただくことを推奨いたします。
ENCOREの旧版では、定型的なコメントが記載される項目がありましたが、新版でも同様でしょうか?また、エクセルで結果を見る場合、コメントはどのように確認できるのでしょうか?
最新版においても、以下のファイルを確認していただくことで、マテリアリティ評価結果の解説を確認することができます。
・依存:03. Dependency links.xlsx
・影響:05. Pressure links.xlsx
IBATのレイヤーにOECMのエリアは対象ではないのですか?
IBATではOECMのレイヤーが未整備であるため、現状評価を行うことはできないかと思います。
IBATについての質問です。「自社の拠点から半径50km圏内に生物多様性にとっての重要地域があること」はどのくらい重要なのでしょうか?「50km」と聞くと、遠いような、自社との関連が薄いような印象を受けます。
たしかに50kmというのは自社との関連性は薄く感じるかと思います。本来であれば、自社による取水や汚染などの影響がどの程度の範囲に及ぼされるかを把握し、その範囲で評価することが望ましいと考えます。
P.69-P.72あたりで、特定の場所と、生物多様性重要な場所との距離の把握は確認できますでしょうか?昔は地図の距離の縮尺などがあったような気がするのですが・・・
無料版の現在のバージョンではプロットした場所と生物多様性重要地域の距離を確認する機能は実装されていないかと思います。有料版では、指定したバッファ領域に存在する保護地域の数が把握できるかと思います。
IBATの無料版で調査した結果は開示に使用できるのでしょうか?
無料版、有料版ともに分析いただいた結果は開示に使用可能です。
上記以外のセミナーを開催していますので
ぜひお気軽にご参加ください。