国内で使える環境価値クレジット・証書の違いと現在の市場環境

2024年8月22日 (木)にオンラインセミナー「国内で使える環境価値クレジット・証書の違いと現在の市場環境」を開催いたしました。

開催概要

  • テーマ :国内で使える環境価値クレジット・証書の違いと現在の市場環境
  • 開催日時:2024年8月22日(木)14:00 ~ 14:55
  • 開催方法:オンライン(Zoom)
  • 主催  :八千代エンジニヤリング株式会社
  • 参加費 :無料
  • 参加人数:134名

日本では温対法や高度化法を中心にCO2排出量の削減が進められてきました。しかし近年は省エネ法の改正やGX推進法の策定など、企業による一層のCO2排出量の削減が求められるようになってきています。

 

非化石証書・J-クレジット・グリーン電力証書は、温対法や省エネ法などの国内制度だけでなく、RE100やCDPなどの国際的イニシアチブにも利用できます。しかし「何を使えばいいのかわからない」「どれか一種類だけ調達するのがいいのか、混ぜて調達するのがいいのかわからない」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

 

本セミナーでは、それぞれの環境価値クレジット・証書の違いを詳しく解説したのちに、現在の取引相場や調達方法、供給余力、将来的な見通し、温対法や省エネ法における定期報告時の使い方、GX推進法との関係性を紹介しました。

 

質疑応答では、たくさんのご質問をお寄せいただき、ありがとうございました。

ご質問のうち一部ではございますが、文末にQ&Aを掲載いたしますのでご参考になれば幸いです。

 

次回以降のオンラインセミナーについては、詳細が決まり次第、あらためてメルマガにてご案内させていただく予定です。

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

 

質疑応答

電力小売事業者から再エネメニューを調達する際、①非化石証書+非FIT電源、②非化石証書+FIT電源、③非化石証書+通常電源のパターンが考えられると思います。この3種類について企業が調達する場合、コスト面以外で優先順位をつけるとしたらどのようになるでしょうか?理由も含めて教えてください。

非化石証書とFIT非化石証書・非FIT電源は同義ですので、頂いている選択肢のなかで優先順位を付けるのは難しいと思科します。ご意見交換の機会を頂ければ、詳しく解説し貴社のお考えを理解したうえで回答可能です。

非fit非化石証書は電気小売以外からの購入ができるようになっているのではないですか?

ご指摘の通り、需要家がバーチャルPPAの契約締結をしている場合は、発電事業者から調達することも可能です。

FIT非化石証書の落札率が今後、どのように推移していくか解説していただけないでしょうか?

まだ状況は見通せませんが、落札率は高まっていくと考えられます。

非fit非化石証書(再エネ指定無し)についてもトラッキングできるようになった(る?)と聞きました。このあたりの解説をいただけませんか?

今のところ非FIT非化石証書がトラッキング対象となる情報はございません。再エネ指定ありの場合はトラッキングができるようになるなど、制度調整が進められてきています。

非FIT非化石証書でごみ発電は再エネ電力と認められないのでしょうか。

ゴミ発電は、生ごみや木くずなどのバイオマス発電による電力と、プラスチック燃焼による電力に分けられます。プラスチック分については、再エネ電力としては認められませんが、前者は認められます。

次年度の環境価値調達分を予約することは可能でしょうか?

FIT非化石証書の場合は予約ができません。年4回のオークションのみとなります。グリーン電力証書やJ-クレジット(相対取引分)については、予約が可能です。

海外でバイオ燃料を製造し、日本に輸入し自社発電に使用する際、CO2フリーの燃料として輸入できないか考えています。この場合この燃料のCO2係数の認証は、どの認証を受ける必要がありますか。

現時点の証書制度に、ライフサイクルGHGを排出係数に反映させる制度は無かったはずですが、当該燃料の成分構成や、CO2排出係数の適用先制度によっても変わります。ご意見交換などで詳しくお話を伺えれば、より的確なアドバイスが可能です。

貴社に発注してから証書の発行まで、どれくらい時間がかかりますでしょうか?

最短で1週間で納品可能です。

FIT非化石証書は、すでに一般消費者がFIT賦課金としてコスト負担した環境価値を、あらためてオークション売買している一種のセカンダリーなものと理解しています。この理解が正しいとするとFIT非化石証書の購入者が自社製品に割り当ててグリーン商品を主張するのは、環境価値をコスト負担しておらずグリーンウォッシュではないのでしょうか?

ご指摘の通りです。FIT非化石証書の環境価値は国民が所有する価値です。従って、環境価値の主張をすることはできません。そういった経緯もあり、商品にラベルを貼ったり、小売電気事業者の場合は電源構成を表示する際に、FIT電源は他の再エネ電源と切り分けて表示しなければならなかったりと、表示価値に対して各種規制があります。

グリーン電力証書の購入後、利用期限はありますでしょうか

利用期限はありません。

排出権取引の費用と、炭素税の費用、証書購入の費用、それぞれのバランスはどのようなものでしょうか?

仮にカーボンプライシングの価格がヨーロッパ並みの10,000円/t-CO2だとしたら、証書購入費の方が確実に安くなります。

J-クレジット、非化石証書と併用することはできるのでしょうか。

併用可能です。

グリーン電力証書はSBTiに対応してますでしょうか?他にも対応しているイニシアチブがあればご教示いただきたい

対応しています。

上記以外のセミナーを開催していますので
ぜひお気軽にご参加ください。

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