【カーボンニュートラル担当者必見】SBTの最新動向と押さえておくべき重要変更点を分かりやすく解説

2025年12月4日 (木)に、オンラインセミナー「【カーボンニュートラル担当者必見】SBTの最新動向と押さえておくべき重要変更点を分かりやすく解説」を行いました。

開催概要

  • テーマ :【カーボンニュートラル担当者必見】SBT最新動向と押さえておくべき重要変更点を分かりやすく解説
  • 開催日時:2025年12月4日(木) 11:00 ~ 11:55
  • 開催方法:オンライン(Zoom)
  • 主催  :八千代エンジニヤリング株式会社
  • 参加費 :無料
  • 参加人数:255

気候変動リスクへの認識が世界的に高まるなか、科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標であるSBT(Science Based Targets)を設定する企業が急速に増加しています。日本国内においても、SBT認定取得済またはコミット中の企業2025年11月時点で2,000社を突破し、脱炭素経営のスタンダードとなりつつあります。

一方で、早期にSBT認定を取得した企業が「5年目の見直し」時期を迎えるなか、SBTiは2025年7月に「5年ごとの義務的レビューガイダンス」を公開しました。これらは2025年12月18日よりすべての認定企業に義務適用されるため、既存の認定企業も迅速な対応が求められます。また、「企業ネットゼロ・スタンダード」の改訂も進むなど、SBTを取り巻く動向は常に変化しています。

本セミナーでは、これらの最新動向と変更点の概要を分かりやすく解説するとともに、SBTの認証取得や、5年ごとの目標レビューに向けて企業が今後取るべき具体的な取り組みを紹介しました。

 

 

質疑応答

上場企業の場合、グループ会社はどの程度網羅する必要がありますか?

組織境界については、GHGプロトコルの基準(「支配力基準」と「出資比率基準」)または財務諸表と整合させるべきとされています。そのため、どちらと整合させるかによりますが、組織境界に含まれるグループ会社は全て網羅する必要がございます。

2028年1月1日以降は、Near-Term目標の設定ができなくなるということでしょうか?

2028年1月1日以降、Near-Term目標が設定できなくなるということはございません。ただし、大企業等が該当するカテゴリーA企業については、Near-Term目標に加えて、ネットゼロ目標を設定することが必要となります。

活動整合を具体例を交え教えてください。

活動整合とは、サプライヤー企業そのものの取り組み状況ではなく、調達する製品やサービス自体の環境性能に焦点を当てた目標設定アプローチです。具体的には、調達量の95%以上がSBTiの定める「脱炭素の基準値(原単位あたりの排出量の上限)」を下回っていることが求められます。ガイダンスでは鉄鋼調達の事例が示されており、例えば年間100トンの鉄鋼を購入する場合、そのうち95トン以上を基準に適合させる必要があります。

Scope2の厳格化について、設備稼働が10年以内のものに限定されるとなると、たとえば現在稼働している原子力発電からの購入電力は認められない、ということでしょうか?また、地理的整合性を問われると、非化石電力証書の適用余地が相当限定され、地球全体の脱炭素の面ではネガティブな印象を受けますが、改定趣旨をご教示いただけると幸いです。

ご認識のとおり、新基準案では、過去10年以内に稼働開始または再稼働(re-powered)した発電機から供給されていることが求められるため、SBTにおいては認められないこととなります。また、地理的マッチングの背景についてGHGプロトコルでは、現状再生可能エネルギーが豊富でない地域において、新たに創出していくことを目的としているようです。

Scope2において、過去10年において稼働開始・・・とありましたが、例えばPPAの有用期間は20年と聞いています。この場合、10年を経過した後の非化石価値は反映されないということになるのでしょうか。

新基準案では、10年を経過した後の非化石価値は原則として認められないと想定されます。ただし、GHGプロトコルにおけるScope2ガイダンスの改訂案では、既存契約を維持することを目的としてレガシー条項などが検討されています。

ネットゼロ目標の基準年の設定方法をご教授ください。2015年以降と言うルールは残るのでしょうか?

現行基準では「2015年以降」とされていますが、新基準案(V2.0)では、「包括的なデータを有する直近の年」と変更が提案されています(参照:新基準案 C4.1)。なお、直近の年が企業の組織構造や実績を正確に反映していない場合には、例外として別の基準年を選択することも認められています。

現状2023年にネットゼロ基準ではなく、短期目標SBT認定を受けました。5年後に更新をする際、今まで同様ネットゼロ基準ではなく、短期目標SBTでの更新は可能でしょうか。ネットゼロ基準は今後義務(短期目標SBTは無くなる)でしょうか。

5年後の更新の際には、企業ネットゼロ基準(V2.0)に短期目標が組み込まれているため、ネットゼロ基準に沿って更新することが必要です。また、大企業等のカテゴリーA企業に該当されている場合は、短期目標に加えて、新たにネットゼロ目標を設定することが必要となります。

ネットゼロは、第三者検証は必須になると言う理解であっていますか?

ご認識のとおり、新基準案(v.2.0)ではデータの信頼性を高めるため、特にカテゴリーA企業(大企業や高所得国に属する中規模企業)に対し、以下のフェーズで第三者保証が必須となっています。目標設定時: 基準年のGHG排出量データの第三者保証が必須、進捗報告時: 目標達成状況を裏付けるデータの第三者保証が必須

同じくScope2厳格化の時間的厳格化について、非化石証書のみならず、単純なPPAにも適用されるとの理解でしょうか?そうなると、電力購入者から見ると、1時間単位の電源構成が分からず(電力に色はない)電力会社からの提示がないと排出量が把握できないと思うのですが、その理解で正しいでしょうか?

ご認識のとおり、「低炭素電力に関する基準の厳格化 」における時間的マッチングはPPAにも適用されると考えております。また、ご指摘のとおり、現状電力購入者から時間単位の電源構成を把握することは困難です。そのため、今後は仕組みの部分からの対応が必要になってくると考えています。

2027年以降は新基準適用で、それ以前に旧基準で申請した場合、5年後のレビューで新基準に沿ってないと期限切れになるのでしょうか?

5年後のレビュー時に新規準に沿っていない場合、直ちに期限切れになる訳ではありませんが、トリガー日から12カ月以内に目標を更新されなかった場合は、ターゲットダッシュボードにおけるステータスが「期限切れ」となります。

Scope2の低炭素電力の定義、CO2排出量の上限等あれば教えて下さい。

ガイダンスによると、直接GHGガス排出量が0.024 kg CO₂/kWh以下で発電された電力が低炭素電力とみなされるとされています。(参照:新基準案 C16.1)

どういった状況の企業が早期の対応をする必要があるのでしょうか?

2℃を十分に下回る(Well Below 2℃)水準の目標を設定されているなど、現在設定されている目標が最新のSBTi基準を満たしていないことが明確な企業さまは、早期に対応されることを推奨させていただきます。

SBTやFLAG認定取得はCDPのスコアに影響がありますか?

CDPではSBTに関する質問が追加され、評価の対象となっています。そのため、SBT認定を受けることでCDPのスコアアップが見込まれます。

上記以外のセミナーを開催していますので
ぜひお気軽にご参加ください。

ページのトップへ戻る