OUTLINE

近年、生物多様性の損失が「グローバルリスク」の上位に位置づけられ、「ネイチャーポジティブ」という世界的な目標が共有されるなか、企業には事業活動に伴う自然への負荷を回避・低減し、自然回復に取り組むことが不可欠とされています。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークに沿った開示が推奨されていますが、多くの企業担当者が「何から取り組めばよいか分からない」、「社内の理解を得るのが難しい」、「開示によるメリットが分からない」といった課題に直面しています。
本アーカイブでは、金融(農林中央金庫・農林中金総合研究所)と技術(八千代エンジニヤリング)のシナジーをいかし、企業のTNFD対応における具体的なプロセスと価値創造への道筋を多角的な視点から解説しました。TNFDアダプターに登録する日本企業が急増するトレンドや、金融市場が企業の自然関連リスク・機会をどう評価しているかといった最新動向に触れながら、参加者の皆さまが自社の状況に合わせた実践的なロードマップを描けるよう支援します。
ぜひ、アーカイブ配信をご視聴ください。
配信手段:Zoom
開催日時:2025年11月6日
登壇者:農林中央金庫 石塚 弘記
農林中金総合研究所 岡添 巨一
八千代エンジニヤリング株式会社 吉田 広人
WHO IS THIS SEMINAR FOR?

八千代エンジニヤリング株式会社 事業開発本部 サステナビリティサービス部 マネージャー
吉田 広人
入社後、国土交通省など官公庁向けのコンサルティング業務に従事。現在は、民間企業向けサステナビリティコンサルティング事業を統括する。民間企業向けサステナビリティコンサルティング事業では、水資源に関する戦略策定やリスク調査を中心に、気候変動、生物多様性、資源循環の領域でも豊富な経験を有する。

農林中央金庫 営業企画部 サステナビリティ共創グループ長
石塚 弘記
2001年に大学卒業後、外資系戦略コンサルティングファームを経て2007年に農林中央金庫に入庫。本店および支店で主に法人融資業務に従事。2020年よりニューヨーク支店で法人融資に注力する傍ら、日系食農関連企業による「米国メインストリームへのバリューチェーン構築に向けたプロジェクト」を著者3名で協同して企画・推進。2025年の帰任後、これまでの経験を活かし、サステナビリティ共創グループ長として、持続可能な農林水産業への貢献と企業のサステナビリティ経営の高度化の両立を目指し、ソリューション企画・提供に取り組む。

農林中金総合研究所 主任研究員
岡添 巨一
水産庁で国際漁業交渉に従事したほか、在イタリア日本国大使館で政府代表代理として国連食料農業機関(FAO、ローマ)での食料政策議論、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)での生物多様性に関する目標づくりなど国際的なルールメーキングに長く関わる。農林中金総合研究所では、ルール設定側の視点も考慮しながら、TNFD開示など民間事業者による規則や枠組みの対応をサポートしている。
11時~11時5分 会社紹介
11時5分~11時45分 TNFD取り組みの『壁』を乗り越える! 企業の"現在地"から描く、価値創造への実践ロードマップ
11時45分~11時55分 質疑応答
APPLY
※ 同業および個人の方からのお申し込みはご遠慮いただいております
Q&A
Q. | TCFDとTNFDの統合開示が進んでいますが、一方で分析指標がシングルマテリアリティとダブルマテリアリティで異なっておりTCFDとTNFDは別で開示する企業もいらっしゃると思います。御社としてはどちらを推奨しておりますでしょうか。推奨理由も知りたいです。 |
|---|---|
A. | TCFDとTNFDは統合的に開示することを推奨しております。気候変動は生態系や自然資本に大きな影響を与え、逆に健全な生態系(森林など)は炭素吸収源として気候変動対策に不可欠です。これらは切り離せない課題であるため、統合的に評価することを推奨しています。ただし、これも企業様の現在地次第だと考えており、最初から統合開示を必ず目指す必要はなく、段階的に成熟度を上げていくことが重要であると考えます。 |
Q. | ツールを用いて出た結果を分析する際、5段階評価のどのレベルから考慮するべきなのか教えていただきたいです。(例えば、VH、Hがない場合、Mだけ考慮すれば良いのか。L、VLについても考慮する必要があるのか) |
|---|---|
A. | ENCOREを用いた評価を想定し、回答いたします。セミナーではお伝え出来ませんでしたが、当社ではENCOREの評価結果をそのまま踏襲するのではなく、個社の事業や活動状況、自然資源の活用状況を踏まえ、補正を行っております。その上で、VHあるいはHに着目して評価を行っています。 |
Q. | 自社の環境ボランティアなどの活動が生物多様性と繋がる場合、事業活動と紐づけた開示といっていいでしょうか? |
|---|---|
A. | 環境ボランティア活動が生物多様性の改善に寄与することも多々あると思います。一方で、「TNFDで求められているのは事業やバリューチェーンでの企業活動に伴うリスクや機会があるか?」そのようなリスクや機会に対して、どのようなガバナンスや戦略で臨むのかといったことをステークホルダーに示すことだと認識しています。このため、事業やバリューチェーンと環境ボランティア活動に繋がりがあるのかを示すことが大事であると考えます。 |
Q. | 沢山のリスク評価ツールの中から、実態との乖離が少ない指標を選び、リスク評価ツールを使い分けることが正しい分析と考えてよいでしょうか。例えば、Aqueductの洪水リスクの指標には洪水の影響を受けると予想される人口の割合が考慮されているため、人口の少ない地域はリスクが過少評価されていると思われる場合にその指標は分析で使わないなど。 |
|---|---|
A. | 実態との乖離が少ないと想定されるツールや指標を用いることができるのであれば、評価結果の信頼性は高いと判断できます。一方で、多くの企業に採用されていても、実態との乖離が少ないツールや指標のみを使用することができない場合や、乖離の有無を判断できない場合もあるかと思います。このため、ツールはあくまでスクリーニングに用い、アンケートや他の文献などによって結果を補強することが重要と考えてます。 |
Q. | TNFD開示を投資家はどこに着目、どう評価しているのか教えていただきたい。 |
|---|---|
A. | 投資家は企業の自然関連のリスクと機会の財務インパクトなど定量的な情報があると参考になると考えられるが、自然資本・生物多様性の文脈においては定量評価は簡単ではないと感じています。その場合は、それぞれの企業がもつ自然資本・生物多様性に対する考え方をどう自社のビジネスにつなげていき、自社の競争領域での競争優位を作っていくか、といったストーリーを投資家や金融機関に見せていくことが良いのではないかと考えています。そして結果、そのストーリーが評価され株価などにも反映されていくものだと考えます。 |
CONTACT US
サステナビリティの
お役立ち資料はこちらから
まずはお気軽に
お問い合わせください