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【TNFD開示の「次の一手」に悩む企業必見】
ネイチャーポジティブ戦略に役立つLCA活用術

OUTLINE

アーカイブセミナー内容

【TNFD開示の「次の一手」に悩む企業必見】 ネイチャーポジティブ戦略に役立つLCA活用術

TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)により、企業は従来の気候変動への対応に加え、自然に関するリスクと機会の開示と、それに対するネイチャーポジティブへの取り組みが求められるようになってきました。国内でも多くの企業がTNFDを開示している一方で、開示内容の高度化や開示後の取り組み方針の検討に課題を感じている企業も増えています。

「どこから着手するべきか」という課題には、まずは各事業や原材料に関する自然への依存やインパクトを定量化したうえで方針を検討することが効果的です。そこで、本セミナーではネイチャーポジティブに関する戦略を検討する際に有効な定量化手段の1つとして、ライフルサイクルアセスメント(LCA)を紹介しました。

LCAにより、エネルギー消費量や水の消費量、生物多様性への影響などの観点からバリューチェーンのなかでもっとも影響が大きいプロセスや材料を特定することが可能です。セミナーではLCAの概要とTNFD検討を含むネイチャーポジティブ戦略へのLCA活用方法や活用事例について解説しました。

配信手段:Zoom
開催日時:2026年3月26日
登壇者:八千代エンジニヤリング株式会社 樋口 桃子

WHO IS THIS SEMINAR FOR?

こんな方におすすめ

  • サステナビリティ推進部門の方
  • 環境分野の取り組みについて、何から始めるべきか悩んでいる方
  • 一度TNFDは開示しているが、より検討を深めたいと考えている企業の方
  • 企業の環境分野の方針や戦略を検討している方

登壇者

サステナビリティNaviのコンサルタント・樋口桃子

八千代エンジニヤリング株式会社
事業開発本部 サステナビリティサービス部 樋口 桃子

入社後、LCA関連支援、CDP回答支援、TNFD開示支援、水リスク評価、Alliance for Water Stewardship(AWS)認証取得支援などの業務に従事。

<資格>AWS Professional Credentialing Specialist

セミナー開催中のご質問と回答

Q.

ネイチャーポジティブに向けてLCAを始めたいのですが、製品数が多すぎてどこから手をつければいいか迷っています。
最初のアプローチとしておすすめはありますか。

A.

主力製品や調達量の多い製品などの重要度の高いものについて実施するだけでも、会社にとって最もインパクトが大きいホットスポットの分析に繋がると考えております。最初から完璧を目指すのではなく、まずは出来る範囲で進めていくことを推奨いたします。

Q.

LCA評価というのは、民間企業のサステナ関連部門の担当者が独自(独学)で対応できるものなのでしょうか?
それとも、専門家に頼らないと手に負えないようなものなのでしょうか?

A.

LCAは、対象外とする領域や環境負荷の配分、地理情報など、評価対象範囲の設定次第で結果が大きく異なることから、目的に応じた評価対象範囲の設定が重要になります。また、算定結果の解釈にも専門的な知識が必要になります。
そのため、ISO認証を取得する場合や、サステナビリティ開示における活用、詳細な分析などをご検討されている場合は、専門家を頼るのが望ましいと考えております。

Q.

LCAは製品単位で算定するものと認識してるのですが、組織全体の環境負荷を定量化したり開示する場合には、対象となる全製品それぞれでLCAを実施するのでしょうか。

A.

企業の事業内容や規模などの状況により算定アプローチは異なると考えております。
対象とする製品に対して算定する場合もあれば、会社全体を一つのバウンダリとして算定する場合もあります。

Q.

環境影響評価について、いくつかのツールがあるとのことですが、それぞれのツールの特徴について教えてください。

A.

環境影響評価手法には、地球温暖化や土地利用変化など中間的なインパクトを評価する「ミッドポイント評価」と、人間への健康被害や生物多様性の損失など最終的な被害のインパクト評価する「エンドポイント評価」の大きく2つの種類があります。

ミッドポイント評価は、例えばCO₂の排出量から地球温暖化への影響係数を示せるため根拠が明確で確実性が高いですが、その結果社会に何をもたらすのかという所までは評価されません。一方で、エンドポイント評価では、生物種の絶滅リスクや人間への健康被害など最終的な社会的被害を示すことが可能な半面、中間段階のモデルの仮定が積み重なるため不確実性が高くなります。そのため、目的に応じて使い分けることが望ましいと考えております。

以下、それぞれの手法の代表例です。

  • ミッドポイント評価+エンドポイント評価:ReCiPe
  • ミッドポイント評価: EF(Environmental Footprint)、CML
  • エンドポイント評価:IMPACT World+、LIME

Q.

TNFDとLCAのつながりについて教えてください。
LCAにて原材料別、製品別で算出して、TNFDで会社全体をLEAP分析にて実施するということでしょうか。

A.

LCAは、TNFDのLEAPアプローチのステップにおいて、より解像度を上げるために用いる補完ツールとして活用可能だと考えております。
例えば、LEAPアプローチの推奨ツールであるENCOREを利用することで事業の依存影響関係について5段階で評価は可能ですが、LCAを用いることで、さらに「その事業のどの製品・プロセスが具体的にどの程度影響を与えているか」を定量化して評価することが可能になります。

Q.

LCAはTNFDの解像度を上げる手法と説明がありましたが、まずTNFD開示を進めるためにはどのように進めたらよいでしょうか。

A.

まだTNFDの分析を実施していない場合は、まずはTNFD推奨ツールであるIBATやENCOREなどを利用して分析を進める形でも良いと考えております。
弊社もTNFD分析のご支援を実施しておりますので、進め方でお悩みがありましたらご相談ください。

Q.

算定結果を経営層に報告する際、数字(kg-CO₂やm³など)だけではなかなかピンときてもらえません。何か良い伝え方はありますか。

A.

環境負荷量の結果だけですと解釈が難しい可能性があります。
環境影響評価手法によってはインパクトの大きさを貨幣価値に換算可能なものがあり、例えば発生した環境負荷によって生じる影響を回避するための金額を算定することができます。貨幣価値に換算し、キャッシュフローなどにおける割合などを示すことで、インパクトの大きさについて理解しやすくなるのではないかと考えております。

Q.

標準的な貨幣の手法のガイドラインは出ているのでしょうか。

A.

貨幣価値換算可能な環境影響評価手法は、 EPS(Environmental Priority Strategies)やEnvironmental Prices Handbook、Stepwise 2006、LIME3など、複数あります。それらの手法のなかで貨幣価値への換算に関する係数などが示されています。
日本ではLIME3がよく利用されておりますが、目的に応じて適切な評価手法を活用することが望ましいです。

Q.

LCAの環境影響評価における評価結果の妥当性・正確性について、どのように考えればよろしいでしょうか?(かなり前提を置いた算出ですので、懸念があると思います)

A.

ご認識の通り、LCAは多くの前提に基づいた評価手法のため、精緻な分析よりは全体的な傾向を定量的に把握することに適したツールだと考えています。
その結果の不確実性については、感度分析を行うことで、前提条件がどの程度結果に影響するかを把握することが可能です。

Q.

LCAにて算出する係数が、実態と比較して確からしいと判断できるものでしょうか?
学術的に比較可能な係数を設定されていると思いつつ、地域性が高いネイチャーポジティブについてどこまで信頼性があるのかを気にしております。

A.

ご認識の通り、ネイチャーポジティブに関する評価では地域の環境情報の反映が重要です。
LCAでは評価手法により、国、エコリージョン、流域レベル、地域レベルなど、地理的な評価単位は異なりますが、特定の地域の状況が反映しきれない可能性もあります。
そのため、まず全体のなかでホットスポットの傾向を掴むためにLCAを活用し、その後LCAで特定されたホットスポットに対して地域情報を踏まえたより詳細な調査・分析を実施するなどの方法は有効だと考えられます。

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