【BSIグループジャパン サステナビリティ関連規格の
推進の担当者登壇】
企業における生物多様性の取り組みを進めるために
~生物多様性に関する規格(ISO 17298)の紹介~

OUTLINE

アーカイブセミナー内容

企業における生物多様性の取り組みを進めるために ~生物多様性に関する規格(ISO 17298)の紹介~ アーカイブへのお申し込みはこちら

私たちの社会・経済活動を支えている生物多様性と生態系サービスは、急速な人口増加や持続不可能な生産・消費活動により世界的に劣化が進んでいます。

こうした状況を背景に、企業にとって「自然関連リスク」は事業継続を左右し得る重要な経営課題となりつつあります。この課題に対応するため、ISO(国際標準化機構)は2025年10月、組織が生物多様性への取り組みを計画・実践するための考え方やプロセスを示した国際ガイダンス規格「ISO 17298」を発表しました。

ISO 17298では、生物多様性に関する組織範囲やステークホルダーの明確化、生物多様性への依存・影響・リスク・機会の特定と優先順位付け、目標設定と地域特性を踏まえた行動計画の策定方法など、実務に直結するプロセスが整理されています。

またISO 17298は ISO 14001、ISO 26000、TNFD、SDGs など、広く普及している既存の枠組みとの整合性を考慮して設計されており、組織が生物多様性への取り組みを既存のマネジメント体制に統合しやすい構成となっています。

本セミナーでは、国際規格と適合性評価に幅広く関わる第三者機関であるBSIグループジャパン株式会社をお招きし、ISO 17298のポイントをわかりやすく解説します。さらに、国際規格に基づいた生物多様性への取り組み方法について、具体的なステップとともに解説いたします。

会場:オンライン(Zoom)
開催日時:2026年6月11日(木) 11:00~11:55
登壇者:BSIグループジャパン株式会社 武田 俊二
    八千代エンジニヤリング株式会社 霜山 竣

WHO IS THIS SEMINAR FOR?

こんな方におすすめ

  • 生物多様性と自社の事業との関連性や優先順位の付け方に課題を感じている方

  • TNFDなどの情報開示だけでなく、社内プロセスとして生物多様性の管理を標準化させたい方

  • ISO 17298の要件を正しく理解し、認証までの流れや価値を理解されたい方

登壇者

BSIグループジャパン 武田様

BSIグループジャパン株式会社
営業部・マーケティング本部 Healthcare, Food & Sustainability営業部 武田 俊二                              

サステナビリティ分野(特にGHG排出量、カーボンニュートラル関連、水効率マネジメントシステム)に従事。

〈保有資格〉
英国認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー

サステナビリティNaviのコンサルタント・霜山竣

八千代エンジニヤリング株式会社                             事業開発本部 サステナビリティサービス部 コンサルタント 霜山 竣                               

SBT設定支援、水リスク評価、CDP回答支援(気候変動、水セキュリティ)に従事。
SBTNの開発プログラムにも参加。
2026年4月から社会人博士後期課程で地下水・地中熱利用における社会・環境へのインパクトについて研究中。

〈保有資格〉
AWS Professional Credentialing Specialist

セミナー当日のご質問とご回答

Q.

ISO 17298はいつ策定されたものでしょうか?

A.

正式な国際規格(IS)としての発行日は2025年10月6日です。

Q.

日本では ISO17298の認証は開始しているのですか?

A.

現在、パイロット検証を募集しております。パイロット版なので、特別な価格でのご提供を計画しております。ご興味おありの組織様がいらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。

Q.

ISO 17298は認証取得されている実績はどの程度あるのでしょうか? また、今後の展望などあれば教えてください。

A.

現時点での実績はございません。いまはまだ認証ビジネスとしては立ち上げの真只中です。流れとしては明確で、まず企業がTNFD対応などで自然リスクを可視化し、次にISO 17298でそれを「管理・運用の仕組み」に落とし込み、最終的にISO 14001のように第三者認証が整備されていく、という流れになります。理由として3つ考えます。

第一に、生物多様性はもはや「環境対応」ではなく、企業活動を支える経営基盤であるという点。
第二に、ネイチャーポジティブ時代における企業評価への対応です。
そして第三に、ISO 17298は守りの規格ではなく、機会創出の基盤でもあるという点です。

Q.

ISO 17298とISO 14001との関係はどう理解、運用すればよいでしょうか?

A.

ISO 14001が環境マネジメントの仕組みを構築・運用する規格であるのに対し、ISO 17298は生物多様性・自然資本への影響を評価・管理する要求事項です。
ISO 14001の環境側面評価を補完するツールとして活用すると効果的です。

Q.

ISO 17298を導入するにはどうしたらいいですか?

A.

ISO認証取得は、①規格要求事項の理解と推進体制構築(Kick Off)、②マネジメントシステムの構築・運用、内部監査、マネジメントレビューの実施(約4~6か月)、③予備調査、第一段階審査、第二段階審査を経て認証取得・維持運用(約3~4か月)の流れで進みます。
全体では一般的に約7~10か月程度を要します。①、②のフェーズではこの分野に強いコンサルタントのサポートを入れると、合理的、効果的、かつ短期に準備できるかと思います。

Q.

ISO 17298を取得することに、企業としてどういったベネフィットがあるのでしょうか。

A.

ISO 17298は生物多様性・自然資本への影響を体系的に把握・管理する枠組みを提供する要求事項です。企業にとっては、TNFD開示や自然関連リスク評価の根拠強化、取引先・投資家への説明力向上、将来の規制対応準備が主なベネフィットです。第三者検証機関の立場では、「生物多様性への取組を客観的かつ再現性のある方法で整理・運用できること」が最大の価値であり、TNFD対応の実効性向上にもつながると考えます。

Q.

ISO 17298の導入効果に記載された内容は、TNFDでも成せる効果かと思うのですが、TNFDと比較して、ISO 17298を導入する効果は何になりますでしょうか。

A.

TNFDは自然関連リスク・機会を開示するためのフレームワークであるのに対し、ISO 17298はその前提となる生物多様性・自然資本の管理プロセスを構築・運用するための要求事項です。TNFDが「何を開示するか」を示すのに対し、ISO 17298は「どのように管理し改善するか」を示します。そのため、ISO 17298を活用することで、TNFD開示の根拠や信頼性を高め、継続的な改善につなげることが期待できます。

Q.

ISO 17298の研修を受けるにあたって、担当者の前提知識はどれくらい必要ですか?

A.

ISO 17298研修の受講に専門知識は不要です。ESGや生物多様性の基礎知識、ISO 14001の理解があれば十分受講可能です。

Q.

ISO 17298の導入が特に有益と思われる企業の規模や業種などを教えてください。

A.

ISO 17298は自然資本や生物多様性への影響が大きい企業に特に有益と考えます。具体的には、製造業、食品・飲料、建設業、化学業、素材産業、農林水産業などが該当します。また、TNFD対応やサプライチェーン管理を進める中堅・大企業において、自然関連リスクの把握、情報開示の信頼性向上、取引先や投資家への説明力強化に役立ちます。

Q.

①ISO 17298は認証規格ではなく、ガイダンスの位置づけの規格という理解でよいでしょうか?
②組織の目標のSBTNの目標としなければならないのでしょうか?

A.

①ISO 17298は、認証取得を前提とした要求事項です。
②組織の目標をSBTNの目標とすることは必須ではありません。ISO 17298は特定の外部イニシアティブの採用を義務付けるものではなく、自社の事業特性や影響度に応じて適切な目標設定を行うことを求める枠組みです。ただし、SBTNは有力な参照手法の一つとして活用可能です。

Q.

欧州では既に生物多様性に関する認証があるのでしょうか。ISO 17298はそれらとどう異なりますか?

A.

欧州では、生物多様性に特化した単一の認証規格というより、FSC(森林認証)やRSPO(持続可能なパーム油)など、特定資源・サプライチェーンに紐づく認証スキームが既に普及しています。また、EUタクソノミーやCSRD等により企業への開示・管理要求も強化されています。

これに対しISO 17298は、特定分野に限定されない横断的な要求事項として、生物多様性への影響評価や管理の枠組みを提示する点が特徴であり、個別認証を補完する包括的な位置づけと理解されます。発行間もない事もあり、実績はまだございません。

Q.

実際のスコアリングはどのように行うのでしょうか?

A.

ISO 17298には、現時点でISO 9001やISO 14001のような認証審査や点数によるスコアリング制度はありません。

ISO 17298は要求事項であり、ISO 9001や14001のような認証審査における定量的スコアリングを前提とした枠組みは基本的に想定されていません。審査では、要求事項への適合性を点数化するのではなく、生物多様性への影響評価、目標設定、管理措置が適切に構築・運用されているかを総合的に確認します。必要に応じて、成熟度評価やギャップ分析の形式で整理されることがあります。

Q.

ISO 14001との整合性をどう取っていけばいいのでしょうか。すでにISO 14001を取得している企業でISO 17298をどのように導入していけば良いのか、具体的な案があれば教えていただきたいです。

A.

ISO 14001取得企業は既存の環境マネジメントシステムを活用し、環境側面評価の対象を生物多様性・自然資本まで拡張する形でISO 17298を導入することを推奨します。まず事業活動と自然との関係を把握し、重要な自然関連リスク・機会を特定したうえで、目標設定や管理プロセスへ反映します。これにより、TNFD対応や自然資本経営との整合性を効率的に高めることができます。

Q.

ISO 14001を取得していますが、さらにこちらも認証を取るとなると企業としては負担が多いと思います。
ISO 14001認証取得企業はある部分は共通で審査、などもできないのでしょうか?

A.

第三者検証機関の立場では、ISO 17298は認証規格ではなく要求事項であるため、現時点ではISO 14001との統合審査の仕組みはありません。ただし、ISO 14001で実施している環境側面評価、リスク・機会の特定、目標管理、内部監査などはISO 17298の考え方と親和性が高く、多くの活動を活用できます。そのため、新たな仕組みを一から構築するのではなく、既存のISO 14001へ生物多様性・自然資本の視点を追加する形で運用負荷を抑えることが可能です。

Q.

ISO 14001が今年改訂されて生物多様性への取り組みも盛り込まれましたがISO 17298との親和性はあるのでしょうか?

A.

ISO 14001の改訂により生物多様性への配慮がより重視されるようになり、ISO 17298との親和性は非常に高いと考えます。ISO 14001が環境マネジメントの枠組みを提供するのに対し、ISO 17298は生物多様性・自然資本への影響を評価・管理する具体的な考え方を補完します。そのため、ISO 14001取得企業は既存の仕組みを活用しながら、自然関連リスクや機会の管理を強化しやすいというメリットがあります。

Q.

この規格はコーポレートとしての対応と理解しましたが、地域課題は本社では全て把握できないなかで、具体的にどのようにISOの要求に対応していけばよろしいでしょうか?

A.

地域課題を本社のみで把握する必要はないと考えます。ISO 17298では、事業所や工場ごとに地域特性や利害関係者の意見を踏まえて自然関連の影響・リスクを把握し、本社がその情報を集約・評価する運用が現実的です。例えば、拠点ごとの環境側面評価や地域行政・住民との対話結果を活用し、重要課題を特定することで、全社方針と地域課題の両立を図ることが期待されます。

Q.

ISO 17298は生物多様性を対象としているので、水資源は直接の対象としていない、という理解で合っているでしょうか?

A.

生物多様性の中に水資源が含まれているという理解をしていただければと思います。

Q.

具体的に、自社へのリスクや影響を評価する方法は、ご提示されているのでしょうか。(LEAPアプローチのIBAT等など)

A.

ISO 17298では、具体的な評価方法は記載されておりません。ISOでは、あらゆる業種や規模の組織への適用や手法が更新された場合も柔軟に取り入れるために「何をすべきか」は記載されていますが、「どうやって実施するか」は記載されておりません。

Q.

ISO 17298は、生物多様性というよりは自然資本が対象なのでしょうか?

A.

ISO 17298では、生物多様性が対象となります。自然資本は植物、動物、水等の天然資源のストックを表しますが、生物多様性は、自然資本が人間社会にとって便益をもたらす生態系サービスを下支えする状態を表します。そのため、ISO 17298では自然資本だけではなく、生物多様性を対象としています。

Q.

ISO 17298の目標設定は、SBTNとどう異なりますか?

A.

ISO 17298では、適用範囲を生物多様性との関わりから任意で設定し、依存・インパクト・リスク・機会を基に実現可能な目標を設定することが求められます。一方、SBTNでは、適用範囲は「流域」であり、目標設定をすべき流域を決められた手法で決定していきます。また、目標の閾値(取水量削減量等)も流域の状態に合わせた値になりますので、ISO 17298に比べて野心的な目標になります。

Q.

ISO 17298の要件は、目標設定のSBTNとTNFDの関連する要件と整合がとれているという理解で良いでしょうか? 同時に3つを実施するのはかなり負担がかかると思われ、ひとつづつやっていくにも整合されていないと余計な手間がかかるのではないでしょうか。

A.

ISO 17298は、SBTNやTNFDなどのイニシアチブを参考に作成されておりますので、要件として整合している点は多くあります。一方、具体的な要件として異なる部分もありますので、1つに対応するとすべてが対応できるというものではありません。そのため、目的に応じてそれぞれのイニシアチブに対応することが求められます。なお、3つ同時に行いたい場合は効率よく行うことも可能ですので、一度弊社にご相談ください。

Q.

カーボンニュートラルの動きと連動してなのか、生物多様性の動きも若干鈍化しているように感じています。
グローバル、欧州、日本など見た際に、生物多様性の動きはどういった状況と捉えているでしょうか。
また、生物多様性の動きを捉えるにあたり、SASB、TNFD等どういった点を捉えることで潮流をキャッチできるでしょうか。

A.

生物多様性は、カーボンニュートラルと異なり、様々な指標で評価、取組み、モニタリングを行う必要がありますが、効果を測る統一指標がこれまで無い状況でした。そのため、Nature Positive Initiative(NPI)ではState of Nature Metricsという指標を開発している等、取組みを行うための指標化・見える化が課題と考えています。これらの動きは、2年1度行われる生物多様性条約締約国会議(COP)等で潮流をキャッチすることが可能と考えています。

Q.

ISO 17298における生物多様性のマネジメントの過程は、LEAPアプローチの一部と重複しているのでしょうか?

A.

ISO 17298は、LEAPアプローチを参考に作成されていますので、重複している部分は多いです。

Q.

SBTNによるLEAPアプローチのガイダンスを実務レベルにしたものがISO 17298、とイメージして大丈夫でしょうか?

A.

その認識で問題ございません。

Q.

対話すべきステークホルダーの優先順位がございましたら、ご教示ください。

A.

対話すべきステークホルダーの優先順位は、重要度の大きさ、対話のしやすさで決めることを推奨します。例えば、工業用水を使用している場合は、工業用水を管理している機関の重要度は大きく、工業用水の取水源となる河川の管理機関は重要度が相対的に小さくなります。

Q.

生物多様性の取り組みについて、AR3Tを題材に拠点および周辺での取り組みを上下に切り分けてご説明がありましたが、サプライチェーンの上流、下流で行う取り組みとはどのような整理の仕方が有益でしょうか?

A.

上流と下流も同様な取組みで整理することが可能です。上流の場合は、調達物もしくは原材料の生産時の依存・インパクトを削減する取組み(サプライヤー工場、農地等)とインパクトを与えた分を回復させる取組み(サプライヤーが位置する流域等)があります。一方、下流は自社の製品が使用する水量の削減と主に自社製品が使用される地域での保全があります。

Q.

ISO 17298と、CDPフォレストやCDP水セキュリティとの現在の関係や、今後の連携予定があればご教示ください。

A.

ISO 17298とCDPとの関係は今のところ明言されておりません。しかし、CDPでは生物多様性の質問も設定されていますので、将来的には組み込まれる可能性はあるかと思います。

Q.

自然共生サイトとの違いについて教えてください。この認証取得は主にどこから要請されているものとなりますか?

A.

自然共生サイトは、日本の生物多様性国家戦略2023-2030の基本戦略である生態系の健全性の回復に向けて、陸と海の30%以上を保全する施策の一つとして環境省が進めている制度になります。一方、ISO 17298は、国際標準化機構(ISO)が策定した規格になります。ISO 17298は2025年10月に策定されたばかりですので、まだ要請に組み込んでいる機関はないと認識しています。

アーカイブお申し込みフォーム

入力された個人情報は、質問への回答および情報提供のために使用します。入力情報はSSLにより暗号化されます。自身の個人情報の照会、修正、削除などを希望の場合、本人確認後に対応します。プライバシーポリシーおよび個人情報保護方針を確認・同意のうえで入力ください。


また、当Webサイトの運営および改善、利用状況の把握を目的として、株式会社ベーシックが提供するマーケティングツール「ferret One」を利用しています。ferret Oneでは、サイトの閲覧履歴や操作履歴をはじめとする情報をCookieなどの技術を用いて取得する場合があります。これらの情報は、当社が取得するお客さまの個人情報と紐づけて利用することがありますが、当社の管理下において利用され、ferret One提供事業者が独自に利用することはありません。Cookieによる情報収集は、ブラウザの設定により無効にすることが可能です。

CONTACT US

サステナビリティ施策の実現に困難を感じていませんか?
私たちにお悩みをお聞かせください

まずはお気軽に
お問い合わせください

サステナビリティの
お役立ち資料はこちらから