OUTLINE

2022年に196カ国が合意した昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)では、2030年までに自然の損失を止めて回復の軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」が、世界共通の目標として掲げられました。この目標の達成には、政府や地方自治体だけでなく企業や金融機関などの取り組みが不可欠です。こうした民間セクターの行動を加速するため、2023年に発足したネイチャーポジティブ・イニシアティブ(NPI)が中心となり、2024年にオーストラリア・シドニーで第1回のグローバル・ネイチャーポジティブ・サミットが開催されました。
第2回となる「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026」は、2026年10月にアルメニアで開かれる生物多様性条約第17回締約国会議(COP17)を見据え、企業・金融と地方自治体の貢献を焦点とする国際会議として、2026年7月に熊本市で開催されました。生物多様性に関する大規模な国際会議は、日本が生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)のホスト国となった2010年以来16年ぶりとなります。
日本はTNFDに賛同する企業数が世界で最も多く、政府の「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」のもと、ネイチャーポジティブ経営に向けた企業の取り組みも本格化しています。一方で、「世界の議論がどこまで進んでいるのか」「海外の先進企業や国際的なイニシアティブが何に注力しているのか」といった一次情報をつかむ機会は限られております。そこで、サミットに現地参加した弊社が、最新の動向をサステナビリティ・ESGご担当者さまにお届けすべく、本セミナーを企画いたしました。
会場:オンライン(Zoom)
開催日時:2026年8月6日(木) 11:00~11:55
登壇者:八千代エンジニヤリング株式会社
サステナビリティサービス部 部長 吉原 哲
サステナビリティサービス部 副部長 吉田 広人
WHO IS THIS SEMINAR FOR?
TNFDに沿った自然関連情報開示を進めているが、世界の最新動向をつかみきれていない
ネイチャーポジティブに向けた対応範囲や優先順位の判断に迷っている
海外の先進企業や国際的なイニシアティブの最新の注力分野を知りたい
自社の生物多様性や水リスクへの取り組みを、次の一手につなげたい
Q. | GRI・TNFD・ISO・SBTNがひとつに統合する作業に日本はコミットできているのでしょうか。日本の自然と矛盾したルールにならないでしょうか。 |
|---|---|
A. | この国際統合プロセス自体(指標設計や基準の書き換え)を主導しているのはTNFD・GRI・SBTN・ISSBといった国際機関であり、日本はそこに意見募集への回答や実務データの提供という形で関与する立場です。TNFDタスクフォース自体にも日本人メンバーは参加していますが、統合作業の「設計者」というより「早期の積極的な採用者・実装者」としてのコミットが中心、というのが現状に近い整理だと思います。生物多様度が高く、日本では面積も豊富な里山や里海などの二次的自然をどのように取り扱うかは、積極的にコミットしていく必要があると考えています。 |
Q. | 参加者としてNPサミットは実質的なビジネスの場であったという吉原様のご意見に賛成いたします。熊本宣言ではミディゲーションヒエラルキーが中心となるなど、企業の行動変容や取組の測定が重視されていますが、協働を考えた場合、今回のサミットは自然との接点となる主体や実践知とつながりが薄い機会だったと感じた次第です。 |
|---|---|
A. | 中間支援者や地域で活動されている方々に期待することは、現地での実際の生態系管理・監視(モニタリング)やステークホルダー間の調整などになります。ご指摘のとおり、金融機関がフィールドまで含めた一気通貫の支援は難しいため、その通訳として我々のようなコンサルタントが間に入り、現場の生態系の状況を金融側が求める情報(地域に及ぼすインパクトマップの作成や指標設定、定量評価など)に変換するために必要となる現場で測定すべき項目・手法の提示などを行う必要があると考えています。 |
Q. | 環境負荷が少ないIT企業(情報通信業)が取り組むべきネイチャーポジィブ活動はどんなものがありますか?(環境負荷的には電気、ガソリン使用くらいしかありません。水は生活用水のみです。) 間接影響まで見ればある程度の影響はもちろんあると思うので、今できることとして森林保全などは考えているものの、もっとやれること、やるべきことを探しています。 |
|---|---|
A. | IT企業(情報通信業)は製造業や建設業に比べて自然への直接的負荷は小さく見えますが、実際にはデータセンターの土地利用・エネルギー消費、半導体・レアメタルのサプライチェーン、オフィスや通信インフラの立地など、生物多様性との接点は少なくありません。TNFDに沿ったLEAP分析により間接影響が大きいプロセスや地域の特定から始められるのが良いのではないかと考えます。 |
Q. | 流域の水資源定量化とは、自社拠点の位置をお伝えすればすぐに算定いただけるのでしょうか。 |
|---|---|
A. | 当社では、「水の地図」と呼ぶ全国を1kmメッシュに区切り、水資源量を評価したマップを作成済みです。このため、拠点の位置や流域をご教示いただければ、速やかに算定が可能です。 |
Q. | State of Natureに基づく調査を行いたい場合に、具体的にどのような調査をすればよいでしょうか? |
|---|---|
A. | State of Natureでは、ランドスケープと管理区域で自然の状態(生態系の範囲、生態系の状態、種の絶滅リスク、種の個体数)を評価し、追跡することになると捉えています。ランドスケープの場合、これらの状態はツールなどを使って評価することになると捉えておりますが、管理区域についてはより詳細な調査が必要になると捉えています。詳細な調査のレベルにもよりますが、現地での生き物調査もスコープに入ってくるものと考えております。 |
Q. | State of Natureは、いわゆる環境アセスの手法とは異なるものなのでしょうか? |
|---|---|
A. | State of Natureの具体的な手法は今後ガイドラインが公表される予定ですので、現時点では環境アセスメントとの手法について、比較することは難しいと判断しております。 |
INFORMATION
日時 | 2026年8月6日(木) 11:00~11:55 |
|---|---|
会場 | オンライン(Zoom) |
申込期限 | 2026年8月6日(木)10:30 |
参加費 | 無料 |
定員 | 500名 |
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